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何故マッチングプラットフォームに「コンシェルジュ」が必要なのか。事業を伸ばす人の力

ユニラボの基幹サービスである「アイミツ」。累計マッチング数が16万5000件を超えた受発注のBtoB受発注プラットフォームは、高い技術とコンシェルジュによる満足度の高い案内とマッチングによって支えられています。今回は、2017年5月からユニラボに入社し、現在もCSチームのリーダーとして社内のコンシェルジュをひっぱっていくリーダーの酒井さんにお話を伺いました。


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アイミツのコンシェルジュ職とは

――本日はよろしくおねがいします。まずは、アイミツのコンシェルジュとはなんですか? コンシェルジュと聞くと、ホテルの案内をしてくれるスタッフさんなどを思い出します。BtoBのマッチングプラットフォームでの“コンシェルジュ”をもっとしっかりイメージしたいのですが……

「私はコンシェルジュを良く、人材紹介会社のエージェントに例えて説明します。人材エージェントは、「転職したい人」と、「人材を採用したい企業」両方を深く知り、双方にとってベストな選択ができるようにサポートしていく仕事です。アイミツにおけるコンシェルジュは、主に発注者さんをサポートする職種です。何かの仕事を発注したい時に、やりたいことを整理し、時に提案し、比較を行い、発注業務をサポートしていくことが重要です。そのマッチングが、発注者さんにとっても、受注者さんにとってもよりよいものとなるように、プロとして対応していくのがアイミツのコンシェルジュです」

――なるほど、発注者さんの代わりに相見積もりを取るサポートメンバーと言う感じでしょうか?

「アイミツのコンシェルジュは、もっと深い所まで携わっています。例えば、転職を考えた時、時間をかけてインターネットを検索すれば、自分のスキルややりたいことにマッチした転職先をリストアップして比較検討することはできますよね。でも、それをやるのは時間がかかるし、自分の知識だけでは不安という時に転職エージェントを頼るわけです。自分のスキルセットなどを話すことで、ぴったりの転職先を幾つかピックアップして、面接をセットしてくれる。アイミツのコンシェルジュも、似たような機能を担っています。

 受発注の領域というのは、思った以上に煩わしいことが多いです。ユニラボが解消しようと試みている受発注の負は、コンシェルジュが居ることによって解消されていくというのが私達の考え方です。

▼受発注領域における負は、発注者さんのリテラシーの程度によっても発生しうる。

 コンシェルジュが担っているのは、ユーザーサポートというより接客や発注支援により、顧客に成功体験をもたらすことです。先程もお伝えしたような受発注の不に対して、何も考えずにプロに頼りたいというニーズは確かに存在します。発注者さんの立場に立って考えた時、時間の制約なく発注先を探して比較することはたしかにできますが、その領域に詳しいプロに聞いて相談できる方が良い、という心理に答えていく職業が、ユニラボのコンシェルジュです」

――ありがとうございます。ユニラボは“技術の会社”というイメージが強いのですが、「技術」と「人」の力をどの様に組み合わせているんですか?

「例えば、技術を突き詰めていけば、AIによる受注者さんと発注者さんのマッチングは出来るように成っていくと思います。ただ、アイミツに問い合わせをくださる発注者さんは、“こういうことがしたい”というアイディアを持っているものの、そのアイディアが具体化されていないことが非常に多いんです。発注に向けた要件の整理には、人の力が欠かせません。

 コンシェルジュが発注者さんのオンボーディングを担当し、要件を決めるための補助的な情報を提供しつつ、しっかり要件が固まってからマッチングを行っていきます。この、マッチングにおいてはAIや技術で精度を上げていくことは可能です。

 ただ……ユニラボのコンシェルジュチームを見ている感覚として、ユーザーの心理を考えた時に、やはり「プロに頼って、決めてもらいたい」というニーズをもった発注者さんは少なくないんです。マッチングがどれだけ高度化しても、このプロに寄るアドバイス、という人の力が必ず必要です。

 BtoBの受発注を成功させるためには、信頼が不可欠だと考えています。受注者さんと発注者さんの信頼関係をよりよいものにするために、コンシェルジュは調整の役割を担っています。発注の背景、意図をきっちりと受注者さんに伝え、受注者さんが出来ることを発注者さんに伝える。それによって、良い受発注を生んでいくことが人が介在することの本質的な価値だと思います」

――アイミツのコンシェルジュ職は実際にどのような仕事をしているのか、教えて下さい。

「基本的には、お問い合わせを頂いた時の要件の整理、データに基づく提案と受注者さんの紹介、紹介後の支援や調整を行っています。

 コンシェルジュの仕事の流れは以下のとおりです。

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◎ヒアリング力――情報の整理

「まずは発注者さんの希望をヒアリングするところからスタートです。ここも、人の力が重要になってくるポイントだと感じています。ITの力を駆使して、希望の納品物をアンケートで聞くことは技術的に可能だと思います。ただ、BtoBの受発注の領域には業界特有の専門用語も多く出てきます。「コーポレートサイトとポータルサイトの違いって何?」「CMS機能って何?」といった一つ一つの疑問をコンシェルジュとともに解消できるるのはアイミツの大きな魅力の一つですね。

 あとは、発注する時点で意外と多いのが“相場がわからないし、予算はそんなに決まっていない”という状態。しかし受注者さん側からすると、予算が決まっていない状態では見積もりを出すのも難しいんです。予算感と期待値を事前にすり合わせていないことが、後のトラブルのもとになることもあります。コンシェルジュがいれば、大体の相場感をお伝えして発注者さんと共に実現可能性を模索したり、受注者さんに要望をしっかりと伝えることが可能になります。」

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◎データをもとに提案し、受注者さんを紹介する

「例えば、会社のモバイルアプリをつくりたいとなった時、予算が10万円しか無いとなると実現可能性は限りなく低くなります。コンシェルジュの役割として、発注者さんに対して、過去の受発注における相場をデータから割り出して答えることも一つの価値提供です。ただ「それは難しいですね」とお伝えするよりも、「お客様のやりたいことを実現するためには、今までのデータをもとに考えると……」とお伝えしたほうが次に繋がります。

 加えて、アイミツを使えば幅広い企業から発注先を選ぶことが出来ます。先入観によって絞り込みすぎて、地域や受注者さんの会社規模を検討材料としてしまうことは多々あることなのですが、コンシェルジュを交えて“本当に地域を限らないといけないのか”など、より良い発注先の選定に加わることもあります」

◎紹介後の支援と調整

「要件が定義されたら、あとはマッチングをして受注者さんと発注者さんをつなぐことになります。しかし、技術的にマッチング精度を上げていくことだけでなく、人の手でサポートできる範囲は意外と多いんです。たとえば、両者が気持ちよくご商談が出来るように事前情報のすり合わせを行う、など、コンシェルジュが仲介人としてサポート出来る範疇です」

――お話を伺っていると、アイミツのコンシェルジュはかなり専門性が高く、深い知識を求められる印象です。コンシェルジュの育成はどの様に行っているんですか?

「課題感を正直にお伝えすると、アイミツの全てのカテゴリに精通したコンシェルジュの教育は今まさにチームとして取り組んでいる最中で、教育プログラムは発展途上です。ここからより専門性を上げ、さらなる価値提供を目指して頑張っていくフェーズに入っていると思います。

 コンシェルジュに就任したら、まずは1ヶ月半に渡る育成カリキュラムを社内で受講します。業界知識を身につける座学から、コンシェルジュとしての応対スキルを磨くプログラムまで様々です。さらに、他部署体験も行います。ユニラボには、発注者さんを支えるコンシェルジュ(CS)チームと、受注者さんを支えるRSチームに分かれており、カスタマーサクセスとして会社の他の機能も体験することでユーザーの思いに深く触れられるようになることが目的です」

コンシェルジュを更に価値ある組織にするために

――コンシェルジュチームは、メンバー・社内教育共に整ってきている段階だと思います。現在感じるコンシェルジュ職の課題はなんでしょうか?

「実際に成約した案件を科学して、コンシェルジュの介在余地を発掘することです。例えば、どのような状況の発注者さんが温度感が高く、コンシェルジュの価値を発揮しやすいのか。例えば、“予算が決まっているお客様”と、“予算が決まっていないお客様”、あるいは“納期が決まっているか、いないか”、このような要素は成約率と密接な関係があります。今すぐアイミツを必要としているお客様に迅速な価値提供をすることと、検討段階のお客様に対してどのようにアイミツの価値を見出していただくか、そこがとても重要な要素になってきます」

――ユニラボのコンシェルジュチームが目指しているのは、いかに多くの発注成功体験に貢献できるか、だと思います。目指すべきところに関しても、是非詳しくお聞かせ下さい。

「ユニラボの考え方として、“売上が上がっているのは良いサービスを提供しているからだ”というものがあります。勿論、会社として売上を上げていくことはとても大切です。ただ、ユーザー様からどんな手を使ってもお金をいただく、という考え方は絶対にせず、自分たちが提供するサービスが良いものであるかどうかが最も大切な価値観です。

 発注成功体験、というのはマッチングの質と量を上げていくことに帰結すると考えています。コンシェルジュの対応スピードをあげ、知識量を増やし、適切なご紹介を行うことによって、案件化率の向上とユーザー離脱防止を目指しています。

 さらに、流通総額や成約数を追いかけることを目標とするといろいろな要素が絡み合います。発注元企業だけはなく、外的要因が多いんです。案件の明確化、適正化に取り組み、受注者さんに対しても発注者さんの思いを正確に伝え、情報共有していくことがコンシェルジュの出来ることです」

――冒頭でもお話頂いた通り、ユニラボは技術の力と人の力を組み合わせることに長けた会社だと思います。“人”側は、これからどのような取り組みをしていく予定ですか?

「全てはより良いマッチングを生み出すため、技術と人の力、両方が必要です。特に発注者さんはインプットしなければいけない情報が多く、その上でアウトプットも整理しなければいけないので、そこにアイミツの介在余地がまだまだあると思っています」

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「まず前提として、良いマッチングを生み出すために、技術でできることは技術。人でできることは人。この軸は変わりません。サービスとして目指すべき方向性は同じですが、その中で両者を補填しあっているイメージです。コンシェルジュは人なので、ユーザーの体験の向上という意味では優れています。人でないとできない、ユーザーが“プロに相談している”という安心感は大切なものです。納得感を持って、情報を整理し、調整し、受注者さん・発注者さん・アイミツ三者の信頼関係を作るのはコンシェルジュの大切な仕事です。

 一方で、人の限界という意味では、データ収集や分析、活用は技術に頼っていくことになると思います。成約している案件の特徴、お客さんが求めている依頼内容に対する類似実績のデータベース化、料金のシミュレーションなどは技術の面でカバーしていくべき領域ですね」

――少し踏み込んだお話ですが……今はAI技術も進歩していて、いずれコンシェルジュの人の手が要らないほどの高度なマッチング技術が生み出される可能性もあるとおもいます。その時、コンシェルジュの介在価値はどこにあると思いますか?

「例えば、そのような高度なシステムが出来たとして、使いこなせるのはやはり発注する要件が整理できている方だと思います。細部に拘り、やりたいことが決まっていて、また受発注ということに慣れていれば、マッチングシステムのみを利用すれば素晴らしい発注体験ができると思います。

 一方で、アイミツを利用するお客様の大半は、これらの内容が決まっていない、もしくは受発注に慣れていない方です。コンシェルジュはやりたいことを決められるように助言、整理していくプロとしての立ち位置を担っているので、そこは人の力が必要です。

 コンシェルジュのマインドセットは、“人助け”。困っている人を助けてあげる、という感覚を持って仕事をしているんです。ホスピタリティが重要ですし、そこがコンシェルジュが生み出す価値の最も重要な要素だと思っています。

 良くCSの世界で伝説と言われるザッポスの世界観ですね。ザッポスは靴のメーカーですが、コールセンターにお客様から“ピザが食べたいんだけど……”と電話をもらった時に自宅にピザが届くように手配した、という逸話があります。さすがにアイミツにピザが食べたいと相談されたら困ってしまうとはおもうのですが……(笑) でも、言いたいことはそういうことです。売上につながると云うだけでなく、受発注という大きな課題を解決し、支援するサービスだというマインドが、コンシェルジュの価値を決定づけていると思います」


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アイミツのコンシェルジュの喜び

――酒井さん自身がユニラボに惹かれた理由を教えて下さい。

「まさにコンシェルジュ職に惹かれて入社しました。代表の栗山さんとお会いして話を聞く中で、アイミツが叶えたいストーリーや世界観、そしてそこにコンシェルジュが介在することで広がっていく価値に深く共感し、面白いと思いました。暦でいうと4年が経ちましたが、受注者さんの新規開拓営業、RSチーム(受注者向けのコンサルティング)を経験した後にコンシェルジュチームに希望して異動しました。

 前職は広告代理店の営業だったので、広告ビジネスの形は大筋理解しています。当たり前ですが、広告の世界で有利なのはお金を持っている企業です。アイミツは、お金によって知名度を上げる方法ではなく、本当に良い技術を持った会社がアピールできる場だと思い、そこに未来を感じています」

――アイミツのコンシェルジュを経験することで、どのような成長機会が得られると思いますか?

「コンシェルジュは、人の力を以てプロダクトを企画・運営しているチームだと思っています。お客様と直に話し、そこからよりプロダクトを良くしていく。ただのカスタマーサポートではなく、コンシェルジュ自体がサービスであり、プロダクトなんです。自分自身がサービスとして動き、検証し、全体に落とし込んでいくことでサービスをより良くしていくことが仕事です。それによって、人の力と技術の力を見極め、組み合わせてプロダクトを開発していくことができるポジションでも在ります。また、コンシェルジュは様々なBtoBの業界に深く入り込んだ業務をするので、幅広い業界で役に立つ知識が身につくと思います。マネジメント、接客のスキルも相まって、どこでも通用していけるような人材になりうる環境です」

――アイミツのコンシェルジュが感じる、お仕事上の“喜び”の瞬間について教えて下さい。

「発注者さんに、“貴方に頼んでよかった。おかげで良いものを作れた”といってもらえるのは、コンシェルジュが皆感じている喜びだと思います。会社での価値発揮という意味で、自分が担当した案件が成約する、売上を作れたという喜びはもちろんあると思いますが、それ以上にお客様にまっすぐ向き合い、良い出会いをうめたことへの喜びはひとしおです」

――酒井さん自身が、コンシェルジュとして働く中で嬉しかったエピソードなどはありますか?

「自分の場合は、まだアイミツの営業をしていた時のことを思い出します。初めてパートナー提供していただいた受注者さんが、地方の個人事業主の方でした。当時はまだアイミツの強みを完全に理解できていたわけではなかったので、都心や大都市ではない、小規模の事業者さんに対して価値提供できるのか不安で仕方がなかったんです。

 しかし、結局その企業さんはアイミツを通じて素晴らしいマッチングを果たし、あたらしい仕事につながりました。その時にすごく感じたのは、知名度がない、地方にいるなどの企業であっても、アイミツ側でニーズを理解して紹介していく中で価値発揮ができるということです。今まで生み出せなかったマッチングが、アイミツによって生み出される瞬間は何にも代えがたい喜びです」

――最後に、コンシェルジュチームのリーダーとして、アイミツのコンシェルジュチームにこれから必要なエネルギーを教えて下さい。

「コンシェルジュという職種は、出来ることが多い分まだ固まっていないことも多くあります。だからこそ、アイミツのコンシェルジュ、という概念をいっしょに探し、見つけ、作り上げていくエネルギーを持った人と一緒に働きたいです。プロダクトに対して強いオーナーシップを持ち、自分がアイミツのコンシェルジュを作るんだ、という気概をチームにも作っていきたいです。」

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「企画、クリエイティブな発想、実体験に基づくアイディアがあれば、それを実現していくチャンスはあります。プロダクトマネージャー、リーダーとしての視点を持ちながら、アイディアを出して率先して動き、メンバーや会社を導いていけるひとと一緒に働きたいです」



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